別腹って本当にある?満腹なのにスイーツが食べられる理由
- 2011年9月12日
- 投稿者:小林 ほのか
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ファミリーレストランなどに行くと、満腹になるまで食べたはずなのに、ついスイーツのメニューに目が行ってしまう……そんな経験はありませんか?「別腹」という名目で、散々食べた後にスイーツもしっかりと入ってしまう。本当に別腹はあるのでしょうか。
別腹は脳の働きによるもの
みなさんご存知のように、やはり人間の胃袋は一つです。都合の良いスイーツ用の胃袋は存在しません。では、なぜ満腹のはずのお腹に、スイーツが無理なく入ってしまうのでしょう?
これは、脳に関係しています。ある研究で、一つの食品を食欲が低下するまで食べ続け、その後他の食品を与えた場合に、低下した食欲が再び上昇するのかを調べています。わかりやすく言えば、ひたすらハンバーグを食べ、満腹になった後にケーキを与えた場合、食欲がわくのかというような実験です。
この実験で、ある一つの食品を食べ続けてお腹いっぱいになっても、他の食品には再び食欲を感じるということがわかりました。
この実験は、脳のどの部位が反応するのかを調べるために行われたものですが、お腹いっぱいであると脳が反応していたのにも関わらず、違う食品には食欲が増している反応が脳にみられたのです。記憶をつかさどる側頭葉が反応していたことから、満腹になったにも関わらず食欲が増すのは、以前食べて美味しいと感じた記憶も関係していると考えられています。
満腹と感じていても、スイーツと聞いただけで食べたくなってしまうのは、スイーツの美味しい記憶がしっかり刻みこまれているからなのかもしれませんね。
脳の刺激で胃にスイーツのスペースができる
脳の働きによって生じる別腹ですが、胃の中に食べ物がたっぷり入っている状態では、さすがにスイーツは食べられないのでは……?と感じてしまいます。
しかし、脳はハンバーグでお腹いっぱいと感じていても、再びケーキへの欲求が高まると、同時にオレキシンというホルモンの分泌を促進します。オレキシンは、胃の働きを促進する働きがあり、たくさん食べたはずの胃袋にケーキのためスペースを作ってくれるのです。
食後のデザートをたいらげて「胃が大きくなったのかも……」と感じたことがあるかもしれませんが、オレキシンがスイーツのために胃にスペースを作るのです。ということは、別腹としてたくさん食べることができてしまうことに、胃の大きさはあまり関係ないのかもしれませんね。
別腹体策はできる?
誰にでも美味しいスイーツの記憶はあると思います。脳で感じるスイーツへの欲求を抑えることは難しいと思いますが、男性は人前で甘いものを食べることに抵抗を感じていることから、スイーツへの欲求を抑えている人も多いようです。女性は人前でスイーツを食べることに抵抗を感じないと思いますが、他の心理的な要因があれば欲求を抑えることは難しいことではないのかもしれませんね。
「ダイエット中」という意識を強く持つことも大切でしょう。また、レストランなどでは食後にスイーツメニューを見ないことも別腹体策として有効かもしれません。