シカ肉は高たんぱく低カロリーのダイエット食材
- 2011年7月21日
- 投稿者:小林 ほのか
- コメント:0 件
シカ肉と聞くと「味にクセがありそう」とか「臭いのではないか」とか、あまり良いイメージを持っていない人も多いのではないでしょうか。「鹿の肉は食べられるの!?」「鹿肉を食べたことがない」という人も多いかもしれませんね。
しかし、シカ肉は低カロリー・低脂肪のダイエッターには嬉しい食材なのです。ボクサーの減量に利用されたことでも話題となりました。今後ブームになりそうなシカ肉を、先取りしちゃいましょう。
ヨーロッパでは高級食材! 鹿肉とは?
日本では、馴染みが薄い鹿肉ですが、ヨーロッパでは高級食材として知られています。国内の一部の地域でしか食べられていないのでは……と心配している人もいるかもしれませんが、国内だけで200万トンもの鹿肉が流通しているそうです。
古くから食用として利用され、馬肉を「さくら」と呼ぶように、鹿肉は「もみじ」と呼ばれています。鹿肉は、ハンバーグ、ソーセージ、ジンギスカン、刺身、鍋(もみじ鍋)など、多くの料理に活用されています。エゾ鹿が多く生息している北海道では、ご当地グルメとして鹿肉の加工品が多く販売されています。
鹿肉の栄養価は? 他の肉とはどう違う?
鹿肉は、肉類の中でも特に栄養価が高いと言われています。
下の表は、牛肉肩ロース・豚肉肩ロース・鶏肉ササミと比較したものです(豚肉・牛肉は脂肪の少ない赤肉で比較しています)。
表からわかるように、ササミには劣りますが、高たんぱく・低カロリーのダイエットに適した食材と言えるでしょう。貧血予防に役立つ鉄や脂質代謝に関与しているビタミンB2も多く含んでいます。
肉類 | 鹿肉 | 牛肉(肩ロース) | 豚肉(肩ロース) | 鶏肉(ササミ) |
タンパク質 | 22.3 g | 16.5 g | 19.7 g | 23.0 g |
脂質 | 1.5 g | 26.1 g | 7.8 g | 0.8 g |
炭水化物 | 0.5 g | 0.2 g | 0.1 g | 0 g |
鉄 | 3.1 g | 2.4 mg | 1.1 mg | 0.2 mg |
ビタミンB2 | 0.35 mg | 0.21 g | 0.28 mg. | 0.11 mg |
カロリー | 110 kcal | 316 kcal | 157 kcal | 105 cal |
※100gあたりに含まれている数値を示しています。
また、鹿肉は多価不飽和脂肪酸を多く含み、リノール酸を8.9g、αリノレン酸4.6g、ドコサヘキサエン酸(DHA)0.5gを含んでいます。ドコサヘキサエン酸は、主に青魚に含まれ、肉類にはほとんど含まれていない成分ですが、鹿肉には含まれています。
ドコサヘキサエン酸は、中性脂肪を減少させる働きがあり、ダイエット中には摂取したい成分の一つです。
気になる鹿肉の味は?
鹿肉は、イノシシなどと同様に野生動物の肉であり、獣肉の一つですので、独特な臭みが気になるところではないでしょうか? 鹿肉は脂質を多く含まないため比較的臭みが少ないのですが、やはり独特な臭みは少なからずあります。脂質が少ないことから、パサパサしているように感じたり、固いと感じたりする人も多いようです。
そのため、最近販売されている鹿肉の加工品は、鹿肉の臭みを消したり、臭みを旨みに変える努力がなされているようです。食感についても、調理法によって改善されています。
鹿肉の入手方法
鹿肉や鹿肉の加工品は、インターネットなどで多く販売されています。また、地域によっては、精肉店や飲食店で取扱っている場合もあります。
加工品は、臭みを消すための処理がされていますが、生肉は、臭みが心配な人は下処理してから調理すると良いでしょう。肉の臭みを消す方法はたくさんありますが、ヨーグルトを利用する方法は、ヨーグルトに20~30分漬け込むことで、肉の臭みを消し、肉をやわらかくする効果が期待できるようです。
鹿肉の調理法
鹿肉はカレーや竜田揚げ、煮物などさまざまな料理に適しているとされています。鹿肉初心者の人は、下味をつけてから調理する方法は、より臭みを軽減できて食べやすいかもしれませんね。
しかし、加熱せずに刺身で食べる場合は注意が必要です。鹿肉の刺身は、鹿肉の食べ方の中でも特にポピュラーな食べ方なのですが、鹿肉の刺身が原因となる食中毒が発生したことがあり、鹿肉は加熱してから食べることが推奨されています。
鹿が増えていることで鹿肉が注目されている!?
北海道や滋賀県などの地域で、鹿が増えたことによる農産物などへの被害が深刻となり、鹿の捕獲が多く行われています。鹿を有効に活用しようと、カレーチェーン店やコンビニで鹿肉を使った商品を扱うなど、各地で認知度を高める取り組みや流通量を増やすための取り組みがなされています。
鹿肉は栄養価が高く、健康志向の高まっている現代に適している食材と言えるでしょう。もしかしたら、鹿肉ブームがそこまで来ているかもしれませんね。
毎日食べるのは難しいですが、鹿肉を使ったご当地グルメを取り入れながらダイエットや健康増進に取り組んでみてはいかがでしょうか。