確かに、摂取カロリーオーバーでなければ、とりあえず肥満は防ぐことができます。しかし、栄養についても忘れてはなりません。栄養面にも気を配り、健康&ダイエットを目指しましょう!
みなさん五大栄養素って知っていますか?五大栄養素とは、炭水化物、脂質、蛋白質、ミネラル(無機質)、ビタミンのことを指します。
炭水化物、脂質、蛋白質の3つは三大栄養素とも言われ、私たちが生きていくためのエネルギー源として不可欠な栄養素です。さらに私たちの身体の臓器や骨、血液、酵素などをつくる材料になります。1グラム(g)あたりのカロリー(kcal)をみると、炭水化物と蛋白質が4kcal、脂質が9kcalとなっています。脂質は断然高カロリーですね。では1つ1つの栄養素について説明していきましょう。
炭水化物(糖質)は米やパンなどの主食に含まれる栄養素で、体内でブドウ糖(グルコース)に変換され、必要なエネルギーを作り出します。また炭水化物は遺伝子を作るDNAやRNAの材料にもなります。しかし、糖質はエネルギー源として、体内に貯蔵される特徴を持ちますので、排泄されません。食べ過ぎて余ってしまうと、その一部は中性脂肪などに変化してしまい、肥満の原因になります。
脂質もエネルギー源になる栄養素です。脂質も同様に排泄されないため、常に体内で貯蔵されます。使われなくなった分は中性脂肪として残ってしまいます。そんな脂質ですが、実は体内の細胞やホルモンの材料にもなります。不足するとホルモンバランスが崩れてしまいます。また脂溶性(脂に溶ける)ビタミンを吸収するためにも不可欠です。
蛋白質はエネルギー源になるほか、私たちの体の筋肉、血液、骨などを作る栄養素です。また神経伝達物質のもとになるので脳のはたらきを支えます。蛋白質は4kcal/gと炭水化物と同じカロリーですが、そのほとんどは体外へ排泄されます。
ミネラル(無機質)は、骨や歯の材料になるほか、他の栄養素のはたらきを円滑にする調整役でもあります。カルシウム、マグネシウム、鉄分などおなじみのものです。
ビタミンは人の体の生理機能を円滑にしていくために不可欠なものです。ビタミンのほとんどは、人間の体で生成・合成することができないため、食事によってしか得ることができません。ビタミンは、野菜や果物以外にも、肉や乳製品など、幅広い食品に含まれています。
下表に五大栄養素の1日の摂取目標を載せました。第6の栄養素とも言われる食物繊維についても載せましたので、参考にしてください。
五大栄養素 +食物繊維 |
主なはたらき | 1日の摂取目標量 ※注)参照 | 主に含まれている 食品 |
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女性 | 男性 | |||
炭水化物 (糖質) |
主にエネルギー源。取りすぎると肥満の原因になる。 | 50~69 | 50~69 | 米、パン、麺類、砂糖 |
脂肪 | エネルギー源。筋肉、臓器、骨、ホルモンなどを作る。血中コレステロールをコントロールする。取りすぎると肥満の原因になる。 | 20~29 | 20~29 | 肉、魚、牛乳、油、バター |
蛋白質 | エネルギー源。体内でアミノ酸に分解され、身体中のあらゆる臓器、血液、筋肉、酵素などを作る。肥満の原因にはならない。 | 50 | 60 | 肉、魚、大豆 |
ミネラル (無機質) |
骨、歯などの原料になる。他の栄養素のはたらきを助ける。不足すると、貧血、骨粗しょう症、成長不良などを起こす。 | Ca(650) Na(7.5未満) Fe (月経有 10.5) (月経無 6.0) |
Ca(800) Na(9.0未満) Fe(7.0) |
肉、魚、貝類、乳製品、野菜など、多くの食品に含まれる |
ビタミン | 酵素の働きを助け、身体の調子を整える。不足すると肌荒れ、ニキビ、疲労、しみ、白髪などの原因になる。 | A(650) B1(1.1) B2(1.2) C(100) D(5.5) E(6.5) |
A(850) B1(1.4) B2(1.6) C(100) D(5.5) E(7.0) |
肉、魚、野菜、果物など、多くの食品の含まれる |
食物繊維 | 6番目の栄養素と言われる。消化・吸収されないものです。その代わり、腸内でコレステロールの吸収を抑えたり、血糖値の急上昇を抑える。また大腸のはたらきを活発にし、便秘解消にも役立つ。 | 17以上 | 19以上 | 玄米、サツマイモ、ゴボウ、にんじん、玉ねぎ、納豆、りんご、などに多い |
注) ○対象年齢は18~29歳 ○炭水化物と脂質は、1日の基準摂取kcalあたりの割合% ○たんぱく質と食物繊維はg/日 ○他は原則mg/日(ビタミンAとDはμg)数値は原則、目標量または推奨量(ビタミンDとEのみ目安量) ○ミネラルとビタミンは一部掲載(表記は元素記号・アルファベット/Ca:カルシウム/Na:ナトリウム/Fe:鉄)
ダイエットのためには、食品のカロリーに気を配る必要がありますが、栄養への配慮も忘れてはなりません。ビタミンやミネラルには、体内のエネルギーを消費しやすくするものもあり、ダイエットの強い味方です。五大栄養素+食物繊維をバランスよく摂りましょう。