腹八分目でやめられない人は食べる量を減らして満腹になればいい
- 2011年9月30日
- 投稿者:小林 ほのか
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食事の量は腹八分目が良いということは、誰もが痛いほど知っていること。でも、その腹八分目がなかなかわからないというのが、本当のところなのでは?
ダイエットだけでなく、健康維持においても腹八分目が大切です。でも、腹八分目がわからないから、ついつい食べ過ぎてしまうんですよね。腹八分目とはどのくらいなのでしょう?
腹八分目は胃の八分目ではない
満腹になると、胃がパンパンになった感じがしますよね。では、満腹は胃の十分目、つまり胃が食べ物で満タンになっている状態なのでしょうか?
実は、胃は伸縮性があって、食べ物が入っていなければペシャンコの状態なのですが、食べ物が入ってきて大きく膨らむと1.5~2リットルにもなります。個人差はありますが、1.5~2リットルもの量を食べていなくても満腹感を感じますよね。満腹感は量ではありません。つまり、腹八分目も量じゃないのです。
どうすれば満腹感を感じる?
満腹感は、脳で感じます。……と言っても、どのような経路で脳の満腹中枢が刺激されるのかは、全て明確にはなっているわけではありません。
しかし、下記の胃壁の拡張・血糖値の上昇によって満腹中枢が刺激されると考えられています。
- 胃に食べ物が入り、胃壁が拡張することによって、内臓に分布している迷走神経が刺激され、脳に信号が伝わる。
- 摂取した食べ物(糖類)が分解されて血糖値が上昇することによって脳に刺激を与える。
また、満腹中枢は刺激されるまでに約15~20分かかると考えられています。
腹八分目ってどのくらい?
腹八分目はおわかりの通り、満腹になる一歩手前です。満腹感と同様に、胃壁の拡張や血糖値の上昇によって感じます。
しかし、よく言われている「腹八分目」ですが、実際のところ「ほど良い満腹感」というあいまいな言い方がされていますし、「ここまでが腹八分目」という目処もありません。「もう少し食べたいな」と感じるくらいの、若干少なめに感じるくらいが腹八分目とされています。
まずは腹八分目より食事の量を減らすことが大切
腹八分目を感じることなく、気付けば満腹になっているということはありませんか?腹八分目というのは、本当に感じにくい感覚だと言えるでしょう。
満腹感を感じるために必要な食事の量が決まっているわけではありません。食べ方次第で、食べる量が少なくても満腹感を感じることができます。食事の量を減らして満腹感を感じることができるなら、腹八分目ではなく、まずは少量で満腹になることを目指してはどうでしょう?
腹八分目を意識しすぎて食事の量を極端に減らしてしまっては、ストレスとなりますし、続けられません。 満腹と感じる前に食事を終えることより、満腹感を感じるくらい食べても食べる量を減らせる方が良いですよね。
よく噛んでゆっくり食べることが大切
よく噛むことは、満腹中枢を刺激することにつながります。先にもお話したように、満腹感を感じるには約15~20分かかってしまいますので、それ以上に早く食べることは満腹感が得られにくく食べ過ぎの原因となってしまいます。
そして、噛むことでレプチンというホルモンの分泌が促進されることがわかっています。レプチンは食欲を抑制する働きがあるため、よく噛んで食べることは食べ過ぎを防げるのです。
また、ゆっくり食べると、ほど良い満腹感も感じやすいと思います。早食いをしていると、満腹感を感じる頃にはお腹が苦しくなっていることも……。
早食いでは気付きにくいほど良い満腹感も、ゆっくり食べていれば気付きやすいかもしれませんね。
参考サイト
- 食と健康のホントがみえる栄養学(2011年7月15日発行)
著者:古畑公・木村康一・岡村博貴・望月理恵子